ちえり interview | 20GRAPHIE

自然に生きるための穏やか

interview by UTA

ちえり
茨城県出身の25歳。ワーカーズコープの職員として2023年10月から豊岡に移住。

20 Question

Q1.名前の由来について教えてください。

お母さんが、ファッション雑誌に載っていた「さくらんぼ姫」っていう、お洋服のブランドが好きだったみたいで、そこのさくらんぼ＝チェリーからとったのが由来です。

Q2.好きな色はなんですか？

好きな色は結構コロコロ変わるんですけど、いまは緑です。

Q3.好きな動物を教えてください。

犬です。小さい頃からずっと動物が飼えないアパートに住んでいたけど、おばあちゃんの家ではダックスフントを飼ってました。

Q4.どんなお仕事をされていますか？

ワーカーズコープっていう協同組合に所属しています。

働き方が一般の企業と違くて、ワーカーズコープは自分たちで自分たちの働く場をつくるために生まれた組織です。雇われて働くのではなくて、自分たちで必要な資金とか、経営への意見を出し合ったりしながら、自分たちの働く場をつくるというのを目指しています。

例えば3人で仕事を作るって言ったら、どういう働き方にするか、給与はいくらにするか、事業内容をどうするかを3人で話し合って決めるっていう。もちろんゼロから仕事をつくるだけじゃなくて、行政からの業務委託の募集があったり、どこかの会社の下請けだったもあります。そういうものに挑戦するかどうかをみんなで考えて、決定します。

今自分がやってるのは、自治体からの仕事なんですけど、地域で新しく活動を作りたい人の相談とか、あとは、がっつり会社の立ち上げまで行かなくても、NPOなどの設立支援とかをやっています。

https://workers-coop.com

Q5.その仕事を始めたきっかけについて教えてください、。

大学を卒業してから自分がどこで働こうってなった時に、自分が納得したところで働きたいなっていうのはずっと思ってて、でも企業の説明会とかを聞いてても、なんかあんまりピンとこないことが多かったんです。だけど、ワーカーズコープは働き方自体が、なんというか民主的な感じで、誰かの命令のもとで働くとかじゃなくて、話し合って自分たちで決めて、それをちゃんと実行するっていう、そういう働き方をやってみたいと思いました。

雇われるか起業するかのどちらかしかないと学生時代思ってて、ワーカーズコープだったら一人で起業するわけじゃないし、雇われて指揮命令のもとで働くってわけでもないので、そこの中間をいこうとしているのが面白そうだと思って。

それと今、働きながらも環境問題に関われていたりとか。社会運動にも結構関わってて、福島の原発反対とか沖縄の基地問題とか、そういった人権問題や社会問題に関するイベントとかもあったりしてて、そういうふうに社会と関わりながら働けるっていうのが、私もそういう場所を求めていたので、ここだったらできそうだなと思って。

Q6.集団での意思決定の際のコツとかってありますか？

うまくいくかどうかって、まずその場にいる人全員に話し合って決めようっていう意思があるかどうかだと思います。例えば、私はみんなで話し合って決めたいと思ってるけど、UTAちゃんが、いや誰か決めてよって思ってたら、話し合いをする前に、土台がまず違うというか。

自分も意見を出すし、相手の意見もちゃんと受け止めて、着地点を探すっていう、そういう意思が全員にあるっていうのが前提にないと、そもそも話し合うことが難しくなっちゃうから、まずそこかなって思います。どういうモチベーションっていうか、どういう方法で私たちは物事を決めていくのかっていうところを、ちゃんと共通で持っているかどうかだと思います。

Q7.生活の中で意識していることを教えてください。

日々考えているのは、自然と共生するということについてです。この地球が人間だけのものじゃなくて、植物とか一緒に生きてるっていう前提で。豊岡に来てからは畑をはじめたりとか。あと、ワーカーズコープの職場の中でも、環境配慮のために何か仕事をするっていうよりも、今ある仕事を地球環境にとってもよいものにしていく、みたいなことをやろうとしてたりとか。

Q8.環境問題について意識的になりだしたタイミングっていつ頃なんですか？

環境問題について学び始めたのは、大学3年生、4年生ぐらいの時です。気候変動で先進国が大量に石炭とか石油とかを燃やして二酸化炭素を増やしていったことで、発展途上国の人たちとか、あと動物たちとか人間以外の地球に存在しているものたちが存続できなくなってきたり、住む場所がなくなったり、絶滅したり、なんかそういうことが起きていて、この先地球に住めなくなる日が来るかもしれないということを知って。それを知ってしまったからには、何かしなきゃいけないと思って。

Q9.休みの日は、どんなことをされていますか？

休みの日。あ、でも畑をやり始めてからは、畑に行ったりとか。畑は夏に借りたばかりで、前からそこを借りてる人と今は一緒にやっています。畑はもう超小っちゃいです。最近は大根と、ほうれん草を植えました。あとカブも。9月10月くらいに草刈りを始めて、そこから植えたので。明日、大根の間引きをしに行きます。

Q10.畑を始めたきっかけは？

ずっと自給したいなと思っていて。食べ物だけじゃなくて、本当は水とかも自分で引けたらいいなと思ったり、家とかも自分で建てられるようになりたいなとか、洋服自分で縫えるようになるとか、いろいろ思っていて。その中の1つに、畑で食べ物を作るというのもやりたいことのリストにあったので。

Q11.今一番行きたいところはどこ？

ダーナビレッジっていうエコビレッジに行きたい。福島県の西会津だったかな。憧れる場所っていう感じです。

https://maps.app.goo.gl/YzLEjTLeAC9rF7qe6

https://danavillage.com

Q12.今住んでいる場所のお気に入りの場所を一つ教えてください。

コウノトリ郷公園のちょっと行ったところに、ケーキが食べられるところがあるんですよね。BGMとかもなくって、本当に自然豊かなところにある古民家で。景色がすごい、田んぼ！なんですよ。鳥の鳴き声とかなんか聞きながら、本当にボケーっとできるところで、お気に入りです。

結構カフェで本を読んだりするのが好きです。

Q13.おすすめの本はありますか？

エーリッヒ・フロムの『愛するということ』っていう本です。

出会ったのは大学3年生ぐらいの時で、この本を読んで愛というものを人生のテーマにしたいなって思いました。自分と出会ってくれた人とか、関わってくれた人に愛を持って接することができる人間になりたいなと思ったっていう感じですかね。

ちょっと本の内容を言っちゃうと、印象に残ってたのが、多くの人は運命の人がいたら自然と愛することができると思い込んでるけど、実はそんなことはないっていうことが書いてあって。愛するっていうことは、愛そうっていうふうに自分で思って、自分がそこにエネルギーを向けない限り、できるようにならない行為なんだっていうのが書いてあったんですよ。例えば、子どもの頃、文字の読み書きとかって、最初は習得するために、何度も練習するじゃないですか。それと同じように、自分の中に誰かを愛そうとか、出会ってくれた人に愛を向けようって、そもそも思わない限り愛のある人間になれないなって思って。この本には愛というものはこうだっていう正解が書いてあるわけではなくて、むしろ私は分からなくなったんです。自分も愛が何かとかはまだ分からないし、苦手な人がいてどうしたらいいかわからない時もあるけど、でも、それを、人生っていうものを通して考えたいなっていうふうに思って。

Q14.最近観た映画を教えて？

ほんとつい最近観たんですけど『うんこと死体の復権』っていう映画観ました。注目されない糞とか動物とか虫の死体が実はめっちゃ大事でいい仕事してるんだよっていう。でもなんかその、うんこが素晴らしいっていうより、うんこを食べてくれる昆虫や微生物に視点を当てたり、死体も食べてくれる存在がいるっていうことだったりとか。だから人間や動物の死んだ後の身体も、全てを微生物が食べてくれて、それが土に戻っていくというか、地球の一部になる、戻っていくみたいな。それをしてくれてる微生物たちに、タイトルにもある通り”復権”だから、もうちょっとたたえるべき存在じゃないのかなみたいな、そういう映画でした。面白かったので是非観てくださいと言いたいところなんですけど、本当に当たり前かのようにすっごい微生物が画面いっぱい出てくるので、虫が苦手だったら絶対観ないほうがいいです。

https://www.unkotoshitai.com